------ 前書き ------
 
はい、『Sensational Sisters』エピソード編です。
第二回目は、ミルファがメインになります。
 
舞台は第六話、そう、二人が結ばれた日の次の朝から始まります。
 
初めにお断りしておきますが、今回の話にあまりテーマはありません。
貴明とミルファの、ちょっとアダルトな嬉し恥ずかしラブラブストーリーです。
いや、何となくそんなのが書きたい気分だったので……。
そんな時、ありますよね?(ないか?
 
それでは、物語スタートです。
激甘ですので、ブラックを用意してお読み下さい。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「ん……」
 
薄目を開けた俺に、まぶしい光が差し込んでくる。
今、何時なんだろう……? 良く眠れたな……。
 
「……クスッ」
 
不意に聞こえる笑い声。その方を向くと----
 
「おはよう、貴明」
 
陽射しよりもまぶしい彼女、そう、ミルファの笑顔があった。
 
 
 
 
 〜 episode of S.S.〜『 Like a Teddy Bear 』
       ---- らぶらぶ☆ミルファ ----
 
 
 
 
 
「どうしたの? おはようってば、貴明」
「あ、ああ、おはよう」
 
そうだった。俺達は昨日------      ……うっ!?
 
昨晩の事を思い出し少しボーッとしていた俺に、いきなりミルファがキスをしてきた。
 
「これで目が覚めた? おはようのちゅーだよ♪」
 
そして再び向けられる、まぶしい笑顔。
 
 
え〜っと……あ〜……。
 
「ミ、ミルファ、お前いつから起きてんだよ」
 
照れ隠しに、脈絡のない話題を振るしか出来ない俺。
 
「ん? そ〜だな〜、七時位からかな」
 
ふと時計を見ると、もう十時だった……って、ええ!?
 
「ミルファ、お前三時間も何してたんだよ」
「何って……ずっと貴明を見てたよ。貴明の寝顔、かわいいんだもん♪ それに、
昨日は疲れさせちゃったみたいだから、起こすの悪いな〜、と思って」
「…………。俺、とりあえずシャワー浴びてくる」
 
ヤバイ、顔が真っ赤だ。気を静めるためにも俺は風呂場に向かおうとした。
しかし、それは甘い考えだった訳で……。
 
「じゃあ、あたしも。洗ったげるね♪」
 
……やっぱり、こうなるんだよな。断ってもムダだろうな……。
 
 
 
 
 
「は〜い。じゃあ、背中洗うね」
 
結局押し切られて、俺達は一緒に風呂場にいる。今は体をミルファに洗って
もらっているところだ。一応言っとくけど、ちゃんと断ったんだからな。
 
「学生さん、初めて〜?」
「……そういうネタはやめろ」
 
本当に、今日のミルファは朝からハイテンションだ。
 
「はい、流しま〜す」
 
相変わらずのウキウキ声で体を流してくれるミルファ。まあ、幸せ一杯なのは
見ているこっちも嬉しいんだけれどね。
 
 
さてと、今度は俺の番だな。
 
「じゃあ、今度は俺が洗ってやるよ」
「はひっ!? ……い、いや、私はいいよ〜」
 
一瞬ビクッとなるミルファ。何をいまさら恥ずかしがってるんだ?
 
「いや、遠慮しないで」
「や、や、ホントにいいから!」
 
すごいスピードで後ずさり……お前はいいんちょかよ。
 
 
ん? 待てよ、昨日も何となく思ってたんだけど……。
は、は〜ん、コイツ……。
 
「まあ、まあ、ミルファくん。ここは交代で洗わないとねぇ〜」
「うっ!? 何か貴明目つきがイヤらしい……」
「ほら、ほら、ここは俺に全てを任せて……」
「うう〜っ……その手つきもやめて〜」
 
やっぱりそうだ。コイツ、受けに回ると本当に弱いな。
くっ、くっ、くっ……。今までの借りを返してもらおっかな〜。
 
 
「まあ、まあ、まあ……。とりあえず、座って、座って」
「〜〜〜〜」
 
恥ずかしがるミルファを何とかなだめて、イスに座らせる。
ミルファは俺に背を向けて、身を縮め込ませている。
 
んん〜……かわいい。逆にイジメたくなっちゃうよ。
 
「そうだ、ミルファ。前の方も洗ってあげようか?」
「えっ!? な、何言ってんの貴明!?」
 
あわてまくりのミルファ。コイツのこういう姿ってなかなか見られないよな。
 
「いや、だって俺のためにわざわざ3pも大きくしてくれたんだろ? やっぱり
大事に扱ってやらないと」
「〜〜〜〜貴明のエッチぃ……」
 
消え入りそうな声で、うつむくミルファ。
ジャマになるからと昨晩からイヤーマスクを外しているのだが、髪の間から見える
その耳は、髪の色に負けない位真っ赤になっている」
 
……さすがにかわいそうかな。勘弁してやろう。
 
 
「分かったよ、とりあえず背中な」
 
俺は改めてミルファの背中を見る。でも、本当にきれいな体だな……。
肌はきめ細やかに白く透き通っているし、その抜群のプロポーションも手伝って、
何か一種の芸術作品の様な美しささえ感じる。
 
俺はつい惹き込まれる様に、その背中をツーッと指先で触れてしまった。
 
 
「ひゃうっ!?」
 
不意にそっと触られ、声を上げ硬直するミルファ。
俺も、我に返った。
 
「ゴ、ゴメン。くすぐったかったか?」
「う、ううん。くすぐったいっていうか……その……」
 
口ごもって何かモジモジしているミルファ。
あ、ああ……そういう事か……うん。
 
「でも、その〜……何だな。ミルファは、だな」
 
俺も何言ってるのか分からないよ。動揺しまくりだ。
 
 
「貴明だから、だよ……」
 
そんな俺に、ミルファが恥ずかしそうにその説明を始めた。
 
 
「私達プライベート型メイドロボには、その……そういう機能が付いているんだけれど、
気持ちを通じさせる事が出来るのは、自身が大切に思っている人だけなの。長瀬さんが
そう説明してくれた。まあ、犯罪防止のためもあるみたい」
 
そうか、メイドロボ自身が大切に思っている人だけ、か。
 
「それに、私達HMX-17三姉妹は感情をベースとしてOSが機能しているから、その者に
とって大切な人であればある程、システムが強く働いてしまって……その……すごく……
なっちゃう……って事も……」
 
そこまで言うと、再びミルファは顔を伏せてしまった。
 
 
「ミルファ……」
 
そんなミルファがとてもかわいくて……気が付くと、俺は後ろから抱き締めていた。
 
「貴明……」
 
初めは身を硬くしていたミルファだったが、やがて力を抜くと、肩越しに回された
俺の手をギュッと両手で握り締めてきた。
 
自分の心臓の鼓動が激しい。きっと、ミルファにも伝わっているだろう。
 
 
 
どれ位そうしていたのか……ふと、ミルファがこっちを振り向いてきた。
 
「貴明……」
「っと……」
 
ミルファが不意に体勢を入れ替え、俺の上に覆いかぶさってくる。
 
「おい……ミルファ……」
「私、もう……責任取って……」
「こんなとこで……?」
「そう、こんなとこで……」
「……でも……」
「ダ〜メ☆ 愛し合う二人は、止まらないんだもん……」
 
そして、情熱的なキス。
顔にかかるミルファの赤い髪が、少しくすぐったかった。
 
 
 
 
 
 
「ふぅ……」
 
少し休んでから出ると言うミルファを残し、俺は先に風呂場を出た。
そして、キッチンのテーブルでアイスコーヒーを飲む。程よい苦味が渇いた喉に
心地いい。ようやく、ひと息つけた感じだ。
 
ちなみに、喉が渇いたと言う俺に、ミルファさんが純度100%の水を飲ませてくれると
おっしゃいましたが、あまりにディープな内容のため謹んでお断りしました。
本当にこの作品が掲載不可になりますので……。
 
それにしても、仕方がないとはいえ、このペースが続くと俺死にそうだな……。
 
ガチャッ
そんな事を考えていると、キッチンの入り口のドアが開いた。ああ、ミルファが出て----
 
「ブーーッ!?」
 
俺は豪快にコーヒーを吹いた。
 
 
「汚いな〜、貴明。何やってんの?」
「……それはこっちのセリフだ」
 
そう、ミルファはいわゆる『裸エプロン』をしていたのだ。
 
 
「えへへ〜♪ 似合う? ほら、昼食も作らないといけないし。貴明、こういうのが
好きなんでしょ? 部屋に隠してあった本にあったよ」
 
いや、それは雄二がくれた本だから……って見つかってたのかよ! いや、決して
それは俺の趣味ではない……と……思います……デスよ。
 
 
「そして! これはミルファちゃん零式『白エプロン+黒オーバーニー』!! 
絶妙のハーモニーを奏でているでしょ。前から見た時に絶対領域が消えてしまう
難点はあるけど、逆に後ろから見ると、ほら! セクシー度アップ!!」
 
……いや、後ろを向かないで下さい……頼むから。
 
「もう〜、貴明ったら照れちゃって♪」
「……どうでもいいから、いつものメイド服に着替えてこい」
 
目のやり場に困るんデスよ……。
 
「ええ〜? だって今の内にアピールしとかないと、みんなが帰ってきたら
貴明争奪戦が始まるだろうし……」
 
え? 争奪戦? って事はやっぱり……。
 
「……ミルファ、一応聞くけど、俺と瑠璃ちゃんの事は……」
「うん、イルファ姉さんも知ってるよ。だから、多分、珊瑚様も」
 
……みんなが帰ってきてからの性活……いや、生活が頭に浮かぶ。俺、大丈夫か?
 
 
「だから、今の内にサービス、サービスぅ♪」
 
ミルファは俺の後ろに回ると、肩を揉み始めた。
 
「お、おい、ミルファ」
「大丈夫だよ、力を抜いて、ご主人様☆ 私だってメイドロボとして色々と
勉強をしているんだから。貴明のためにね」
 
……意外にうまいな。
仕方がなくそのまま続けさせていたが、本当にミルファのマッサージは気持ち良かった。
料理もどんどんうまくなってきてるし、自分のためにここまで努力してくれるってのは
悪い気はしないよな。
 
 
「はぁ……私、少し疲れちゃった。休んでもいい?」
「ああ、もちろんいいけど……?」
 
そう聞いてきたミルファに、良く考えずに生返事した俺も悪かったが……。
 
「じゃあ……よいしょっと」
「……待て。お前何してる?」
 
頭の上に感じる二つの柔らかい重み。
 
 
「私も少し肩がこっちゃってさ〜。いや〜、重くって」
「お前な〜……休むんならちゃんと座って休め!」
 
 
はい、俺は学習能力がありませんね。流れを読めよ……。
 
 
「そう? それじゃ、失礼して……」
 
ミルファは俺のヒザの上に腰掛けてきた。
 
お前、今裸エプロンだろうが……。その柔らかな温もりが直に伝わってくる。
 
 
「ミルファ、あのな……」
「ん〜? 今日位いいじゃない。こんな時でないとさせてくれないでしょ。それに、
何か近い将来、この席にライバルが現れる気がするのよね……」
「ああ、俺もそんな気が……って、そういう問題じゃなく----」
「てりゃ!」
 
その文句を止める様に、突然ミルファは俺の頭に抱き付いてきた。
 
「……これも、誘ってんのか?」
 
少し呆れ気味の俺。
 
 
しかし、ミルファは軽く頭を横に振ると、落ち着いた声で話し出した。
 
 
「何かね、こうしてると安心するの。私、ひょっとしたら、抱き締められるより、
抱き締める方が好きかもしれない。……頼っている感じがするから」
「ミルファ……?」
「私さ、あんまり誰かに頼るのって苦手だったんだよね。姉さんは瑠璃様のための
習い事で忙しかったし、シルファには頼られてばかりだったし。まあ、あまり寂しいって
感情もその時は感じてなかったしね」
 
 
ミルファは頭を抱くのをやめると、今度は俺の目を見ながら聞いてきた。
 
「ねえ、覚えてる? 私がクマ吉だった時の事、貴明の頭を抱き締めていた事」
 
……そうだったな。コイツ、俺の頭にしがみついて離してくれなかったっけ。
 
「前に貴明の事を好きになったのは何となくって言ったけど、きっと、あれがその
理由じゃないかな、って思うんだ。初めて私が頼る事の出来る誰かを感じる事が
出来たんだから」
 
そして、いつもの明るい、やさしい笑顔を俺に向ける。
 
「クマ吉だったあの時から、きっと、ずっと、大好きだよ、貴明。これからも
よろしくね。色々と迷惑かけちゃうかもしれないけど」
 
その微笑みから、強い想いが確かに伝わってくる。
 
 
俺は何も言わず、ミルファを軽く抱き締めた。
 
「……ねえ、貴明?」
「何だ? ミルファ」
「……やっぱり私、抱き締められるのも大好き。  ……貴明だけには」
 
俺に身を任せ、頬ずりをしてくるミルファ。
素直に頼られるのもいいもんだよな。何か、子供みたいだよ。
 
 
しかし、ミルファはミルファな訳で----
 
不意に、油断していた俺の耳たぶを噛んできた。
 
 
「……おい。誘ってないんじゃなかったのか?」
「そんな昔の事は忘れた……」
「それは普通男のセリフだ」
 
ミルファは少し俺から身を離すと、スネた様な目で見つめてくる。
 
「……ダメ……なの?」
 
 
……ズルイよな〜。そんなの反則だよ、全く。
でも素直にOKするのも何か負けた感じがして嫌だし……なら----
 
「えっ……。  ……あっ!?」
 
俺は急にグイッとミルファを抱き寄せると、その耳たぶを噛み返した。
小さなため息と共に、震えるミルファの体。
 
「もう、耳はダメだよ……いつもはイヤーマスクで覆ってるんだから。それに……
女の子は壊れ物なんだから、もっとやさしく扱わなきゃダメ☆」
 
照れながらも、どこか嬉しそうに文句を言うミルファ。
 
 
クマ吉の姿で出会ってから、ずっと俺の事を想ってくれている一途な女の子。
ちょっとおバカなトラブルメイカー……だけど、憎めないよな。
 
 
「ワガママばっかり……。本当に困ったクマさんだな」
 
そうやって、わざとからかう俺に、
 
「そう、私は貴明専属のテディベアなの。ずっと、大事にしてね……。
いつまでだって、一緒なんだから……」
 
素直に自分の想いを重ねてくるミルファ。ホントにお前ってやつは----
 
 
「がお〜っ☆ ……食べちゃうぞ、貴明」
「……それは、違うだろ」
「がおー☆ がおー☆」
 
人の言葉を聞かず、楽しそうに所構わず甘噛みするミルファ。
しょうがないな……。
 
「ぬいぐるみは、しゃべっちゃダメだろ……」
「ん!?……」
 
俺はキスでその口をふさぐ。もう、言葉は要らないよ……。
 
そしてまた、二人の時間が始まった。
 
 
 
今はただ、愛し合う彼らに幸せが訪れん事を------
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
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------ 後書き ------ いかがだったでしょうか。あまり、説明はいりませんね。らぶらぶ〜☆でした。 いえ、これは私のプライベートとは全く関係ないデスよ。(絶対領域は多少…… 自分としてはCERO15を守って書いたつもりですが、割とアウト気味かも。 まあ、この作品が日の目を見ているという事は、管理人様の検閲は何とか パス出来たということで良しとしましょう。(要反省 最後に、私の脳がおかしいとかいう指摘は一切受けません。 もう、手遅れデスので。 ご意見・感想等、掲示板の方にいただけると嬉しいです。 by HIRO


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